日本を代表する多くの文豪に愛された邸宅「起雲閣」。日本の伝統的な建築様式の残る本館と離れ、外国の様式が融合された独特な洋館に、緑豊かな庭園など、優雅で気品に溢れる建物の美を楽しめます。大正時代に別荘として建てられたのち旅館となり、2000年に熱海市の所有となって人々に公開されました。歴史的・文化的に貴重な装飾も随所に施され、館内の隅々まで楽しめる人気のスポットです。
熱海市街地に現れる、ここだけがタイムスリップしたような場所。緑豊かな庭園の周りを本館、離れ、洋館が囲んでます。
日本の伝統的な建築様式が残されている本館と離れでは、歴史を感じる風合いと格式高い建築美をご覧ください。畳廊下の窓ガラスには、当時の職人が一枚一枚流し込んで作った「大正ガラス」が残っています。旅館時代に客室として利用されていた部屋には、当時起雲閣に足しげく訪れていた文豪たち〈 山本有三、志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治、舟橋聖一、武田泰淳〉にまつわる資料も展示されています。
洋館には日本、中国、欧州などの装飾・様式が用いられ、独特の雰囲気が漂っています。本館とはまた違った趣きを楽しんでみてください。
館内の随所に施されているステンドグラスやタイルなどの装飾。美しい色使いと魅力的な風合いが楽しめるだけではなく、歴史的・文化的に貴重な物も含まれています。展示室に常駐するガイドさんの説明を聞きながら、大正・昭和時代のロマンを感じてください。
緑豊かな庭園は、”鉄道王”の異名を持つ実業家・根津嘉一郎の手にるもの。茶人としても知られた根津氏自らが指揮をしたこの庭園は「池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)」とよばれ、部屋からの眺望と散策の両方が楽しめます。庭の中央には20人以上の庭師が2ヶ月近くをかけて運んだとされる推定20tの巨石が配されています。
大正ロマンの館「起雲閣」は、様々な贅を尽くしながらも気品があり、日本らしい清廉な雰囲気にまとめられているすばらしい邸宅です。熱海を代表する見どころへ、この機会に訪れてみませんか。